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科学技術振興機構(JST)・社会技術研究開発センター(RISTEX)研究開発プログラム「科学技術と社会の相互作用」地域主導型科学者コミュニティの創生
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地域環境学ネットワーク
地域環境学ネットワーク

レジデント型研究機関を中心とした科学者の問題解決型への変容の実態把握と、環境問題への取り組みの現場におけるステークホルダーと科学者の相互作用の分析から得られる知見を基礎に、ステークホルダー、レジデント型研究者、訪問型研究者、市民調査の実施者など、知識の生産と活用にかかわる多様な主体で構成される「地域環境学ネットワーク」を設立します。

各地の潜在的なレジデント型研究機関の研究者や、地域社会の中で環境問題に関する知識を生産してきた市民調査の実施者や地域の有識者は、これまでもさまざまな形で相互交流やネットワーク化に取り組んで来ました。地域環境学ネットワークは研究分野の枠を超えて、地域社会の現場で問題解決に直結する研究活動を行っている多様な主体と地域社会のステークホルダーが集まる場を提供します。交流を通じた相互のモニタリングと情報の共有を通じて各地の取り組みの改善を促し、相互評価と協働の中で「学びあい、育てあう」場を提供することを目的とします。

各地に芽生えつつある特定の環境問題の解決を目指すネットワークとの連携を通じて、広範な環境問題を全国的にカバーできる体制を確立することを目指します。また、知識生産の主体としての地域企業や行政機関内部の研究者の参加を促していきます。各地のレジデント型研究者、訪問型研究者、市民調査の実施者など、多様な知識生産主体と、地域社会のさまざまなステークホルダーが参加するネットワークを作り上げることが目標です。

地域環境学ネットワーク パンフレット


協働のガイドラインとステークホルダー参加型研究評価

地域環境学ネットワークを基盤として、ステークホルダーと科学者の協働のガイドラインと研究成果の評価手法を検討していきます。協働のガイドラインは、地域社会の環境問題への取り組みにおける順応管理のプロセスの中で、科学者とステークホルダーが生産的な協働を行い、問題解決型の知識生産が継続することを保証することを目指すものです。問題解決型の研究の評価システムは、順応管理のプロセスに必要な研究評価の各段階にステークホルダーが参加する評価手法と、ガイドラインに基づく科学者とステークホルダーの生産的な協働の評価システムから成ります。

ステークホルダーと科学者の協働のガイドラインの設計では、以下の点に留意して検討を進めていきます。
・順応管理とリスク管理のための科学的基盤の確立
・地域環境の長期的なモニタリング体制の確立
・地域固有の問題構造・伝統文化・意思決定システムなどとの整合性
・ステークホルダーとの協働による研究体制と研究成果の共有
・研究成果の問題解決に向けた有効性の検証システム

ステークホルダー参加型の研究評価は、順応管理のプロセスの中のさまざまな段階でステークホルダーが参加する研究評価評価と、ガイドラインに基づいたステークホルダーと科学者の協働のプロセス自体の評価からなります。従来型の研究論文や論説などだけでなく、地域社会に実装された順応管理システム、従来の科学評価になじまない継続的なモニタリングなどを評価対象として、問題解決への実効性まで含む「役に立つ知識の生産」を評価します。

ネットワークを拡大・深化させて活動が活性化し、協働のガイドラインと問題解決型研究の評価を広く普及していきます。ネットワークで共有された情報を活用して地域に固有の科学と社会の相互作用が活性化され、地域の現状に則した問題解決に貢献する知識生産が行われることを促します。これによって、ステークホルダーと協働した環境問題解決のための地域環境研究を推進する新しい科学者コミュニティが形成され、問題解決に貢献する地域に固有の研究成果が正当に評価されることによって、科学者コミュニティの変容が持続することをめざします。


地域環境の保全に直結する研究評価の実例
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2007年度「日経地球環境技術賞」
兵庫県立大学と兵庫県立コウノトリの郷公園
「広範な科学的知識や技術を駆使したコウノトリの野生復帰の取組み」を通じて「人とコウノトリが共生できるよう、農薬を抑えた農法の普及や魚道の整備等地域ぐるみで生息環境を整えた」

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知床世界遺産のIUCN調査報告書
「調査団は地域コミュニティや関係者の参画を通したボトムアップアプローチによる管理、科学委員会や個々の(具体的目的に沿った)ワーキンググループの設置を通して、科学的知識を遺産管理に効果的に応用していることを賞賛する。これらは、他の世界自然遺産地域の管理のための素晴らしいモデルを提示している。」

© 2008 JST地域主導型科学者コミュニティ創生プロジェクト